おりん書店

読んで良かった本をご紹介します。

鉄の骨/池井戸潤

最近、何故か池井戸ブームです(笑)
作品自体はよく読めどハマるまではいかず……
それが、『ロスジェネの逆襲』でハマり!(1・2作目はハマらず……)
只今読み漁っているところです!(*^^*)

しかしながら池井戸作品、どちらかと言うと企業ものが多くどちらかと言うと女子受けはどうかな??
と思ってましたが、ありました!
ガッツリ企業ものなのに女子受けも良いであろう今作品!
(今調べたらドラマ化してたんですね、小池徹平くん主演で……)
『鉄の骨/池井戸潤

鉄の骨 (講談社文庫)

鉄の骨 (講談社文庫)

中堅ゼネコン会社の現場に勤める平太に、突然"談合課"と呼ばれる業務課に急遽辞令が下ります。
現場の人間ですので、談合のことは全くわからない平太を通じ、"何故談合が無くならないのか"を私たちは知ることになります。
談合の是非、これがまた答えに困るのですよ。
しかし平太はサラリーマンですから、上の指示に従うしかなく
大規模な地下鉄工事の権利を獲得すべく奮闘するのです。
ゼネコン同士の闘いに加え、融資をする銀行も絡み、
さらに談合を摘発すべく検察も絡み……と、
豪華にも色んなプレイヤーが織り込まれています!

そして、ここですよ!
平太には銀行勤めの彼女がいるのですがこの関係に
どんどん距離が開いていくところ!
付き合い始めは良かったものの、お互いに社会人になり
仕事を通じて考え方も変わる……噛み合わなくなっていく……
彼女側からしたら、平太が幼く見えてくる訳です。
そんなときに、同じ銀行の融資課の憧れのエリートな先輩から好意を寄せられると。

池井戸作品には珍しく柱の1つに恋愛が来る!


ここに食いつきました(笑)
長編かつ色々盛り込まれているのに散漫にならず上手く纏まっていて流石です!!
是非一読あれ。

悶絶スパイラル/三浦しをん

変ッッ!!!!!!!
読み始めてそう時間が経たないうちに驚愕しました……
エッセイは、好きだし結構な数読んできたと思いますよ。
でもね、しょっぱなから下痢の話から始まるってなかなか無いですよ!?
三浦しをん、今をときめくこの作家さんがこんなに変な人だとは思いませんでした……!

『悶絶スパイラル/三浦しをん

三浦さんはエッセイも沢山出されてまして、今作は4冊目。

特にあるある!と思ったところが、
Amazonの"あなたにおすすめの商品"が微妙に的をはずしてる、というくだり(笑)
分かってないな~!と言いつつ、その中で自分にマッチしたものが出てくるまで探してしまうんですよね……
この心理戦までAmazonは計算しているのだろうか……。

ジョジョが好きだったり、BLが好きだったり、
ヲタクだったり、汚部屋だったり、
お友達やご家族がまたキャラが濃すぎだったり、
もうね……なんて言えばいいのか……
エッセイってもっとお洒落で軽~い感じのが多い中、特濃も特濃!
濃すぎて私なんぞでは受け止めきれなかったです……
でも、こんなに面白いエッセイに出会ったことはありません!
これを機にBLを読んでみたくなりました!!
是非一読あれ。

悶絶スパイラル (新潮文庫)

悶絶スパイラル (新潮文庫)

カミングアウト/高殿円

誰にでも内に秘めた秘密がある。
コインロッカーに衣装や小道具を預けて、自分でない複数の別人格をつけて演じる女子高生。
ロリィタ歴9年の筋金入りロリィタ29歳(周囲には隠している)。
夫に性交渉を試みるも惨敗しネットで知り合った男性とのやりとりに安らぎを得る主婦。
46歳まで独身を通してきた男性の、結婚に踏み切れなかった理由。
夫の定年退職の日に離婚と復讐を果たそうと計画する老婆。

様々な登場人物の秘めた思いがカミングアウトされた時の爽快感がスッキリの本です。
『カミングアウト/高殿円

高殿さんはライトノベルご出身だそうで……
有川浩といい、ラノベ出身の作家さんってもしや外れなし!?
本作も女子が男前で正しいから爽やか!読んでて気持ちいいです。
今の自分は本当の自分ではないと思ってる人、
人の目ばかり気にして素の自分を出せない人、
自分をカテゴライズしないと不安になる人、
いつも耐えてばかりの人
は、この本を読むといいでしょう!

男は強くてリーダーシップを取れなければならない。
家族とは分かり合っていて互いに特別な存在でないといけない。
結婚適齢期になれば結婚しないといけない。
周りから浮かないような格好をしなければいけない。

他にも様々な"誰が決めたんだか分からないルール"、
纏いすぎてませんか?
生きていくのに重荷になるだけですよ!
是非一読あれ。

カミングアウト (徳間文庫)

カミングアウト (徳間文庫)

史上最強の大臣/室積光

きゃーー!
前作が良かったから早く読みたかったです!
『史上最強の大臣/室積光

前回は日本にミサイルを発射した北朝鮮との話でしたが、
今回は教育問題がメイン!
教育とはどうあるべきか?
人が人を育てるとは?
やはり一軍内閣・二条内閣はやる事なす事ワクワクします♪
作文の授業の強化、生徒一人一人の学力に合わせた進め方(理解してない場合は留年もあり!)
なんて一見突飛ですが理由を聞けば納得するはず♪

そして、まさかのシン・ジャンナム再登場ーー!
いいキャラなのでまた登場してくれて嬉しい!
いい奴だからこそ最後がちょっぴり寂しいのですが。
密入国している彼の行く末にも注目!

まだまだ続編希望ーー!
是非一読あれ。

史上最強の大臣: THE CABINET2

史上最強の大臣: THE CABINET2

史上最強の内閣/室積光

 いやー、愉快愉快!

ボンクラ内閣が、実は2軍で1軍・いわばナショナルチームが存在するっていう発想が

いいですよね!

しかもこの1軍内閣がまた強面で濃いー面々なんだな・・・・

『史上最強の内閣/室積光

北朝鮮が、日本に向けたミサイルに燃料注入を開始したんですね。

それで首相が手に負えない!と”本物の内閣”に政権を譲ったのです。(期間限定だけど)

この”本物の内閣”、型破りなだけでなく愉快痛快、そして爽快!!

読んでて彼らの活躍をもっと見たくなりますよ!

それ以上に、北朝鮮側の描写が最高!

声を張り上げる北朝鮮オバハンアナウンサーに大臣が堂々とヘアスタイル変だとか言うし笑

(しかもアナウンサーの話し方が、本当に忠実過ぎて笑える・・・)

あとシン・ジャンナム(あの方がモデル!)の恥さらしぶり!笑

ユーモアききすぎ!

と飛ばしまくっておいて最後にホロリ。

まさかこう着地させるとは。

面白かったです~!続編も読みます!

是非一読あれ。

史上最強の内閣 (小学館文庫)

史上最強の内閣 (小学館文庫)

 

 

海賊とよばれた男/百田尚樹

実は本屋大賞って聞いて、天邪鬼なわたしは読む気が失せていたのですが・・・

これはすばらしーーいっっ!!

本屋大賞、文句なしに納得!

海賊とよばれた男/百田尚樹

 

☆あらすじ☆

異端の石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐵造は、戦争でなにもかもを失い残ったのは借金のみ。

そのうえ大手石油会社から排斥され売る油もない。

しかし国岡商店は社員ひとりたりとも解雇せず、旧海軍の残油浚いなどで糊口をしのぎながら、逞しく再生していく。

20世紀の産業を興し、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。

その石油を武器に変えて世界と闘った男とは。。。。

出光興産の創業者・出光佐三をモデルにしたノンフィクション・ノベル。

 

本作ですが、特に女性からの圧倒的な支持を得たそうです。

それも納得。”国岡鐵造”はまさに”理想の上司”と言っても良いでしょう!

器は大きく、自社の利益よりも日本の為になることを考え、情に厚く。。。

まさに漢の中の漢です!

こんな人に付いていきたい、尽くしたい!と思わせる人です。

こんなかっこ良すぎる日本人がいたのだと思うと日本がますます好きになりますよ!

特に日章丸がイランの石油を乗せてイギリス艦隊が待ち受ける日本に帰国するくだりに、

鳥肌たちました!

これがノンフィクションだなんて!

事実は小説より奇なり。

百田ファンとしては永遠の0の宮部が登場するところもグッときます・・・

文句なしに傑作です。

是非一読あれ。

海賊とよばれた男 上

海賊とよばれた男 上

 
海賊とよばれた男 下

海賊とよばれた男 下

 

こっちへお入り/平安寿子

落語、おもしろっっ!!
いやはや意外と言ったらアレですが、観てみたいと思いました。
『こっちへお入り/平安寿子

落語を習っている友人の発表会を付き合いで観に行ったアラサーOLの主人公。
友人は下手くそなんですが、それがきっかけで落語を習い始めます。
この主人公がどんどんのめり込んでいく様や実際にある噺がサクサクとテンポ良く読みやすく描かれています。
平さんの作品は軽快にページを繰れるから好き!

この話は、日々の生活をどこかもて余したOLの成長ストーリーでもあります。
落語って古いし……って思ってる人こそ覆されるはず!
私読み終わった後談志師匠の動画観ちゃいましたもん!
こうして新しい世界を知れるから、読書はやめられないんだな♪
なんか面白いことないかな~って人に!
是非一読あれ。

こっちへお入り (祥伝社文庫)

こっちへお入り (祥伝社文庫)