おりん書店

読んで良かった本をご紹介します。

永遠の0/百田尚樹

ご無沙汰しておりますこんにちは!
やーっと更新できました……
何回も訪ねて下さった方いらっしゃいましたらすみません!

さて、また百田さんです(笑)
何せもうすぐ公開ですからね……!胸熱すぎて燃えます!
『永遠の0/百田尚樹
これもまた、傑作ですね。
映画ご覧になる方はバスタオル必須です(笑)
あと泣いても綺麗なままでいられるマスカラね!
このお話は、姉弟が零戦パイロットだった祖父・宮部のことを調べるところから始まります。
始めはさほど興味のなかった二人ですが祖父と縁のある人物に話を聞き続けていくうち、
戦争の愚かしさ、日本海軍の官僚体質、特攻隊……
様々なことが浮き彫りになってきます。
お国のために死ねという風潮のなか、祖父は最後まで妻と娘に会うために、生きることに執着しました。
そして特攻で亡くなりました。
この最期ったら……!涙なくしては読めません!!
宮部ったらなんて奴だよぉー!!素敵すぎるでしょ!

人の命が当時いかに軽んじられていたか、痛々しいほど伝わってきて読むのが段々しんどくなってきます。
そして、読み進むに従って宮部の最期が近くなっていくこと。
胸が苦しくなりますが……。それ以上の満足感があります!
是非一読あれ!

永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

清須会議/三谷幸喜

こんにちは!

今回は、まもなく映画公開の『清須会議』のご紹介です。

三谷幸喜、正直今まであまりピンときた作品がなくて……

本作はどうなんだろうと思っていたのですが、楽しく読めました!

本能寺の変で信長亡き後、後継者を決める会議が清須会議でして。

後継者を巡るそれぞれの思惑や根回しなんかを描いた作品なんですね。

日本史上初めて戦ではなく話し合いで後継者が決められたそうですよ。

舞台がインドアなのがまず珍しいですよね!

本作の最大の特徴としては、登場人物のモノローグが全て現代語なこと!

秀吉が、『ぶっちゃけ』とか言っちゃうわけです!

時代小説はどーしても、クラシックな文体で描かれるわけですが、

現代語になってますので凄く人物に入り込めるんですね。

時代小説苦手な人こそ読んでみて欲しいですね。

シリーズ物として、信長も出してほしいー!

ノーマークだった映画版も観たくなりました。

是非一読あれ。

清須会議 (幻冬舎文庫)

清須会議 (幻冬舎文庫)

雨の日も、晴れ男/水野敬也

こんにちは。
最近めっきり寒くなってきましたね。
冬は最も鬱になりやすい季節なのだそうです。
はい!そんな私達に嫌でも前向きになれる本の紹介です!

『雨の日も、晴れ男/水野敬也
夢をかなえるゾウの著者ですね!
あの本もとても良かった……!
今回のお話では、子供の神様のイタズラで不幸な出来事がアレックスに降りかかります。
アレックスは、どんな出来事があろうとも、
無理矢理前向きに生きていくのですが
相当強引に前を向くところは爆笑爆笑、
また爆笑です!(笑)
個人的にツボだったのは、オレオレ詐欺の女性版に遭い、
自分に娘はいないが、もしや過去に付き合った女性達が知らぬ間に娘を産んでいたかもしれない!
と過去の女性たちの名前を書き連ねるところ!
これは吹き出しますよ……
読んでるうちに、思わず笑みがこぼれる良書です。
是非一読あれ!

雨の日も、晴れ男 (文春文庫)

雨の日も、晴れ男 (文春文庫)

夢を売る男/百田尚樹

ここ数年で、新聞などで"本を出しませんか"系の広告を見かけるようになりましたよね。
今回お勧めする本はそんな自費出版ビジネスのお話です。
自分の作品を出版社と費用を折半して出す-筈なのですがその実著者の全額負担というアコギな商売。
(実際もそうなのでしょうか……?)
人生1度は自分の本を出してみたいと考える人は多いだろうとありますが、
分かる分かるっ!
資産に余裕のある人なら200万払ってでも本出すことに価値を感じるかも!
それだけに、この商売は人の夢を食い物にしてる感ありますね。
ま、見方によっては夢を叶えてあげてる、とも言えるだろうけど……
"夢を売る男"の表紙に夢を喰う貘がいるのも、皮肉が効いてます(笑)
驚いたのが、世界中のインターネットのブログで、一番多く使われている言語は日本語なのだそうですよ!
知ってました?
日本人は世界で一番自己表現したい民族ってことを意味してるんですね……。意外!
私が私がの自己顕示欲はSNSの普及で更に
高まっていくのでしょうね。
作家志望の人には夢の無い話ですが(笑)
最後の着地も素晴らしい!
やっぱり面白い百田作品!
ぜひ一読あれ。

夢を売る男

夢を売る男

悪党/薬丸岳

以前紹介しました、薬丸岳さんの『刑事のまなざし』がドラマ化しますね!
ここ最近ずっと薬丸さんの作品ばかり連続で読んでるので重たくてしんどくなってきました(笑)
面白いから止められないのですが……

そんな中、少し希望がみえた本書!
ホッとしました~
『悪党/薬丸岳』
今回のテーマも重い!
「身内を亡きものにした犯人を赦せるか?
また、何をもって赦せるのか?」です。
探偵事務所に勤める佐伯は、息子を殺人事件で亡くした老夫婦から依頼を受け、
社会復帰した犯人を追跡調査します。
他にも犯罪加害者の追跡調査を幾つか手掛けるうち、
自分もまた、姉を性的暴行の後殺めた加害者を追うのです。
佐伯が、犯人と対峙した時葛藤の末どうするのか、見ものです!
珍しく、読後感も爽やかで良かったです(笑)
是非一読あれ。

悪党 (角川文庫)

悪党 (角川文庫)

闇の底/薬丸岳

皆さんは、殺人を犯した人は同じ目に遭っても致し方ないと思いますか?
犯罪って、どうすれば抑止できるのでしょう?
今回お薦めする作品『闇の底』はそんな重たいテーマです。
子供への性犯罪が起こる度に、かつて同様の罪を犯した前歴者が殺される。
卑劣な犯行を、殺人で抑止しようとする処刑人・サンソン。
犯人を追うのは過去に妹を蹂躙され殺された、刑事長瀬。
この長瀬が、非常に人間味があるんですね。
妹を殺した犯人に憎しみを抱きながらも、刑事の立場上前歴者を殺した犯人を捕まえなければならない。
その葛藤!
妹の事件を引き合いに出され「僕の中にもサンソンはいます」と思わずマスコミに漏らしてしまったのは全ての被害者側の本音でしょうね……

人を殺めてはいけない。
どんなに卑劣で凶悪な犯人でも?
難しいものです。
ラストはすっかり騙されました……
まさかそう来るとは!

犯罪に、抑止力なんてあるのでしょうか。
そんなことを考えさせられました。
是非一読あれ。

闇の底 (講談社文庫)

闇の底 (講談社文庫)

刑事のまなざし/薬丸岳

薬丸さん、いいかも!
天使のナイフがとても良くて、作家読みしてみました。
『刑事のまなざし』、とても良かったですよ!
通り魔によって幼い娘を植物状態にされたことがきっかけで刑事に転職した夏目さん。
これがまた、刑事っぽくない人なんですね。
華奢で医者と言った方がしっくりくるくらいの。
そんな夏目さん、洞察力が並外れてまして少しの違和から次々と事件を解決していきます。
そして最後に、娘を襲った犯人を見つけるのです……
連作ミステリになってまして、読み進める毎に祈るような気持ちになっていきますね。
犯人早く見つかって!
娘さん、目覚めて!って……

まず、夏目さんのキャラクターがとてもいいですね。
そのキャラクターで、この話をあまり刑事物っぽくなくさせてますね(笑)
そしてこのお話も被害者・加害者偏りなくそれぞれの立場が描かれているところが良い!
薬丸さんは"罪と贖罪"をテーマに描き続けているみたいですね。
とても読み応えがありますので刑事物苦手な人でもお釣りが来る位楽しめるはず!
ぜひ一読あれ。

刑事のまなざし (講談社文庫)

刑事のまなざし (講談社文庫)