おりん書店

読んで良かった本をご紹介します。

トッカン 特別国税徴収官/高殿円

今回の作品は、ドラマ化されたのでご存じの方も多いのでは!
井上真央ちゃん、北村有起哉さん主演で♪♪
ドラマも本当に良い出来!
キャストもピッタリで原作ファンも満足出来たであろう仕上がりでした!
トッカン 特別国税徴収官

徴収官は、税金滞納者に取立てをするのがお仕事です。
そのなかでもタチの悪いのを担当するのが特別国税徴収官(トッカン)。
そのトッカン・鏡の補佐をするのがグー子こと鈴宮深樹。
税金滞納にも色んな理由があり、払いたくても払えない人、
行政に対する不信から払わない人、色々です。
徴収官の仕事を描きながら、『仕事とは何か?』を問う内容になっています。

この作品の優れているところは、やはり登場人物の内面の深さを描ききっているところでしょう!
お仕事小説のなかでも、こんなに飾り気のない、人間味溢れる女子の主人公はなかなかいない!
ちょっとヘタレな女の子(でも普通にかわいい)なら、いくらでもいるのですが……
グー子は、読者に好かれるような子ではありません。
でも、自分では普通にしてる。
何で友達が出来ないのか、何もしてない子から目の敵にされるのかが分からない。
終盤に、思い知ってしまうのです。
自分の中の汚い部分と直面させられてしまったシーンは
自分と重ねてしまう読者もいるのではないでしょうか。

また、トッカンの鏡もキャラが立ってるんですねー!
デリカシー無視のズバズバ発言はいっそ爽やかです(笑)
後半に明かされる彼の過去は、重たすぎるけどそれがまた彼の人間性に深みを出しています。
読むにつれ好きになり、彼の行動をいつまでも見ていたい、と思うようになるでしょう!
ででっ!
終わりがね、またかわいーの!(о´∀`о)
実に微笑ましいラストです。
続編も早く読みたーい!
是非一読あれ!

トッカン―特別国税徴収官― (ハヤカワ文庫JA)

トッカン―特別国税徴収官― (ハヤカワ文庫JA)